4月はベストセラーとか、はやりものとか言われている本を たくさん読んでみました。
*HTMLタグだと情報量が多すぎて送信できなかったので、
ちょっと味気ない感じの まとめになってしまいました・・・^^;2012年4月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:6626ページ
ナイス数:173ナイス
■私の家では何も起こらない (幽BOOKS)
脳内イメージは中世イギリスだった。丘の上に建つ古い屋敷、そこに住み着く幽霊達がいかにして幽霊になったのか、揺れるロッキングチェア、ジャムやピクルスを保管する地下貯蔵庫、真っ白なリネン、うさぎの巣穴、上等な壁紙、明るい日差しが差し込んでいても何となくジメッとした雰囲気が漂う感じ。ある古い屋敷に纏わる連作短編集であるが、一冊読み終わるとまるで長い長い昔話を聞いたような感じがする。ホラーなので残酷な場面も出てくるのだが、文体がとてもエレガントなせいか、イメージを繋ぎ合わせたショートフィルムのような美しさだった。
読了日:04月28日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18525134
■不連続の世界
ホラーっぽいけれど、一応ちゃんと説明がついたラスト。ではミステリーなのかと言われれば、そうとも言い切れないような・・・。ひとつひとつ解決しているようだけれど、小さくて抜けない刺が指先に刺さっているような落ち着かなさがある。このもやっとした感じが恩田陸っぽい。平常と夢の間をたゆたうような、ふわふわとした短篇連作集。読み終わったあとなぜか旅に出たくなる、不思議な物語。
読了日:04月27日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18502606
■ブラザー・サン シスター・ムーン
3人の男女それぞれが過ごした大学時代の思い出を語る形式で物語がすすんでいく。高校時代のある一時期を共有した3人ではあるが、高校時代に感じていたことも違えば、大学時代を過ごした環境も違う。同じ思い出を共有していると思っていても、実際は感じ方に微妙なズレがあるのも面白い。第2部『青い花』はジャズ研が舞台になっていて、共感できるところが沢山あった。第3部『陽のあたる場所』で映画監督になった箱崎が、ラストでインタビュアーに言った言葉、「繋がっているけど繋がっていない人たちの話」は、まさにこの物語のテーマであろう。
読了日:04月25日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18474398
■相田家のグッドバイ
どんな家族にも、世間的な目で見ればヘンテコな習慣のようなものはあるだろう。この家族にもヘンテコなところはあるのだけれど、生まれたときからそれが家族の常識なのだから当人達はちっとも不思議に思わない。家族というものは、つくづく不思議な集団であるように思う。そんな不思議な相田家の日常を、淡々としすぎるくらいに素っ気なく語ることで、逆に切なくなったり、おかしくて笑ったりさせられる。親との別離までの日々を、感情を挟まず事実のみ記載というスタイルで書かれている分だけ、ラストの「ありがとう」が胸に刺さる。
読了日:04月23日 著者:森 博嗣
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18410474
■チョコレートコスモス
『ガラスの仮面』へのオマージュということらしいので、ついつい飛鳥=マヤ、響子=亜弓、と思ってしまいそうになった。恩田陸の作品では、ミステリーしか読んだことがなかったので、こういう群像劇のような雰囲気は新鮮だった。オーディションで飛鳥と響子が演じる『欲望という名の電車』のブランチの実像(響子)と影(飛鳥)による演技の場面が、なんと言っていいのか言葉が見つからないくらい心動かされた。実際に映像になったとしても、ここまで感動しないのではないかと思うぐらい、文字・言葉でしか表現しえない世界観であった。
読了日:04月19日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18307904
■ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
〈1〉では、ぎくしゃくしていた栞子さんと大輔くんであったが、〈2〉ではお互いを下の名前で呼び合うくらいまで距離が縮まったのかな。自分のことを語るのが苦手な栞子さんが、自分の中に嫌悪する母親との共通点を見て、本以外で感情を表に出すなど、〈1〉のときよりも、登場人物を深く掘り下げて描かれているように感じた。『時計じかけのオレンジ』が改訂されていたということは知らなかったな。その他にも〈2〉では藤子不二雄のマンガも登場するなど、幅広いジャンルの古本が紹介されていたのが良かった。
読了日:04月17日 著者:三上 延
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18267162
■ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
2時間くらいあれば余裕で読めるボリューム。ベストセラーということで、期待しすぎたかな・・・面白いのだけれど、あまり「読書した」という実感を持てなかった。エピソードの鍵となる古本については、とても興味深かった。読んでみたい本がまた増えてしまった。
読了日:04月17日 著者:三上 延
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18253229
■ニート (角川文庫)
世間的にはだめだめだと言われる人たちの日常のかけらを、言葉少なくポツポツと綴った短篇集。表題作の『ニート』、その続編の『2+1』が特に好き。『不愉快な本の続編』の前身となる『愛なんていらねー』も読めて満足。全編にわたって、最小限の言葉、説明的な文章は一切なし。ひとつひとつは短い物語であるが、文字数以上のボリュームがあるように思う。「行間を読め」という言葉は嫌いだけど、この短篇集は文章の裏側までをも読み取りたい気持ちにさせてくれる。久しぶりに読み応えのある短編集だった。何度でも読み返したい。
読了日:04月15日 著者:絲山 秋子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18208800
■くちぬい
3.11後に書かれた物語だからだろうか、放射能から逃れるために疎開してきた、という設定でなくても十分インパクトのある小説かな(そこだけ少し残念)。白縫という小さな集落に越してきた夫婦を迎えたのは、豊かな自然と人当たりのよい老人達。一見のどかではあるが、住み慣れていくにしたがって不気味さを増していく。狭い世界に生きている者たちにとっては、外から入ってくる者は異分子であり、恐怖なのだろう。だから老人達は、狂っているという自覚もないのだ。村八分も、殺人さえも、氏神様のためって・・・。集団心理とは本当に恐ろしい。
読了日:04月15日 著者:坂東 眞砂子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18203299
■六番目の小夜子 (新潮文庫)
学校って生き物だなぁ・・・しみじみと再確認した作品だった。誰に強制されたわけでもないのに、小夜子伝説に関わるミッションをやり遂げようと、静かな強迫観念に呑み込まれていくさまは、「何事もない学校生活に見えて、実はいろいろ大変」な「学校」そのものを象徴しているように思える。講堂に全校生徒が集められ、暗闇の中ワンセンテンスずつ言葉を朗読していく場面は、なんてことない文章が恐怖に変わっていく集団心理がよく表れていて圧巻。ラストは全ての謎が明らかにされなかったが、それこそが作者の意図した悪意なのではないかと思う。
読了日:04月13日 著者:恩田 陸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18166961
■ウィンター・ホリデー
『ワーキングホリデー』の続編、期待を裏切らず今回も甘酸っぱい! 進と大和は相変わらず素直じゃないけど、その素直じゃなさに胸キュン(古っ!)だ。帰れなくなった進を、大和がコンビニに迎えに行き、そこで交わされる会話がとても印象的だった。「じゃんじゃんばりばり迷惑かけろ」って、大和かっこよすぎ。ジャスミンさんが言っていた「緩やかでおだやかな関係になっていくことを、恐れないで」というセリフにもぐっときた。成長して巣立っても、それを別離とは呼ばないように、進の成長と共に変わってゆくであろう二人のこれからが楽しみだ。
読了日:04月12日 著者:坂木 司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18149630
■シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
「2年間で劇団の利益から300万を返せ、できなかったら劇団を潰せ」と、シアターフラッグにお金を貸した鉄血宰相・春川司の影がちょっと薄くなった〈2〉。そのかわり、劇団員ひとりひとりのことを深く掘り下げていた。そしてやっぱりお決まりの恋バナで、ちょーっと甘酸っぱいなぁ・・・と思いつつも、面白さは変わらない。甘えっ子で兄ちゃん子の主宰・巧が、劇場主に啖呵を切ったのがとても印象的だった(その後すぐにダメっ子に戻るが)。ここまでで負債総額1,326,300円、返済の目処がついたように思えるけれど・・・〈3〉を待つ。
読了日:04月11日 著者:有川 浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18114885
■シアター! (メディアワークス文庫)
2時間くらいですっと読めるけれど、ただの劇団青春物語で終わらないのがよかった。登場人物の年齢設定だと「青春」とはならないかもしれないけれど、でも! いい大人が劇団「シアターフラッグ」存続のために、じたばたする姿は青春そのものだと思う。主宰の春川巧が、兄の司に泣きついて300万の借金をするところから物語は動き出す。劇団存続のための借金返済のために、初めて商業演劇として利益を出そうと奮闘する巧と劇団員。借金完済まであと297万円、さぁどうなる!?というワクワクした気分で『シアター2』を読む。
読了日:04月10日 著者:有川 浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18099605
■王国
『掏摸』の姉妹編、なのか。もしかしたら『掏摸』のほうを先に読んだほうがよかったのかもしれない。全体的にふわふわしていてよく分からなかった、というのが正直な感想。人間の持つ闇の奥底へと沈みきってしまった女が、組織の全体像を把握しきれないまま翻弄されていくさまが、なんとも言えず悲しい感じがした。正体不明の闇の中でしか生きられない女がふと見上げる夜空には、冷たい月がキンキンと輝いていて、その月の冷たさこそが、作者の意図する「王国」の象徴なのだろう・・・たぶん。全体的に観念的であった。時間をおいて再読してみたい。
読了日:04月09日 著者:中村 文則
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18088433
■困ってるひと
ある日突然、訳のわからない体の不調があって、沢山の病院を渡り歩いた結果「あなたは難病です」と言われたら、それはもう想像を絶する恐怖だろうと思う。治療法も特効薬もない、対症療法で命をつなぐ日々は、20代の女の子には過酷すぎる現実だ。NPOで難民を助ける側にいたのに、逆に自分が助けられる側になってしまった・・というのは余計だったかなと感じるが、努めて明るく、説教臭くならないように、サラっと伝えようとする姿勢がとても健気だ。サラっと言っている分だけ、その裏側にある過酷さが強烈に伝わってくる。生き延びてください。
読了日:04月09日 著者:大野 更紗
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18070445
■殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
すっかり騙されてしまった。あとがき、その次のページの囲み記事、そこまで読んで私は、本当にあった事件だと思ってしまった。でももちろんそんなことはなくて、最後のページの囲み記事までが創作だったのだ。作家の思うつぼである。殺人鬼の物語というよりは、フジコというひとりの女性の人生について考えさせられる物語だった。環境によって歪められていく人格、でもその中の生活しか知らないから間違いだということにも思い至らない。では何が間違いではないのだろうか、正しさとは一体なんなのか、ぷつぷつと毛穴が泡立つ感覚が残る物語だった。
読了日:04月08日 著者:真梨幸子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18045997
■それでも三月は、また
谷川俊太郎の『言葉』という詩から、この本ははじまる。この本にふさわしいオープニングだと思う。様々な作家がこの本に物語を寄せているが、正直、読み物としての面白さを期待しないほうがいい。それでも私は、この本をいつも手の届くところに置いておきたいと思う。いつでも手にとって本を開き、作家とともに3.11の現実を消化していきたいと思う。考え、思い出していたいと思う。川上弘美『神様2011』は、読んでいて涙が出た。びりびりびりびりって心が震えた。
読了日:04月07日 著者:谷川 俊太郎,多和田 葉子,重松 清,小川 洋子,川上 弘美,川上 未映子,いしい しんじ,J.D・マクラッチー,池澤 夏樹,角田 光代,古川 日出男,明川 哲也,バリー・ユアグロー,佐伯 一麦,阿部 和重,村上 龍,デイヴィッド・ピース
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18013018
■小さいおうち
大正から昭和にかけて女中として青春を生きたおばあちゃんの回想録、という形で語られている話。戦争中はとかく「悲惨」と語られることが多いが、(それももちろん真実なのだけれど)実際にその時代を生きていた人にとっては普通の日常だったというのも真実なのだろう。物がないときでも、少しでも食卓を華やかにしようと工夫したり、手持ちの着物で精一杯のおしゃれをしたり、誰にも言えない恋に身を焦がしたり、自分専用の2畳の部屋がどんなにか嬉しかったり、使用人と主人という垣根を超えた友情があったり、女ゴコロがたくさん詰まった物語。
読了日:04月04日 著者:中島 京子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17970445
■幸せになる百通りの方法
「疲れた時にサラっと読めるのがいい」という感想は、作家にとってはあまり嬉しくないのかもしれないけれど、私は最高の褒め言葉のつもりで書いている。自分に勢いがある時は、この短篇集の面白さが分からないような気がする。くたびれて、へこんでて、それでもなんとかしようと空回りしている時にこの本を開くと、あちこちに自分のかけらを発見することができる。文章の中に潜む自分自身を客観的に見て、おかしくてふふふっと笑って、分かる分かるって、じたばたする登場人物のひとりひとりが愛らしくて。「後期高齢なう」という一文に大笑いした。
読了日:04月02日 著者:荻原 浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17904821
■永遠の仔〈下〉
読まなければよかったと思ってしまうくらい、言葉にならない「想い」にザクザクと切られていく感覚。こうして感想を書こうとPCの前に座っているが、うまく言葉がでてこない。人間の弱さが数珠玉のように連なって、ぐるぐるぐるぐる手の中で転がり続けているような・・・その手の中から抜け出せたらどんなにかいいのにと思うけれど、糸を通され、ほかの玉と同じようにつながれているから、その中で一種の安らぎのようなものを感じでしまうのもまた真実であろう。いけないこと、間違いだ、かわいそう、という言葉では片付けられない。魂で読む本。
読了日:04月02日 著者:天童 荒太
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17904707
■永遠の仔〈上〉
分厚い、しかも2段組・・・! 文章のあちこちに引っかかりながらため息をついて本を閉じる、を繰り返していたので、下巻まで読めないかもしれないと思ったが、それはいらぬ心配だった。読ませてしまう、強い引力のある本だと思う。虐待、介護、子ども、親、殺人事件、「心の傷」と簡単には言えないような壮絶な物語。この物語に救いはあるのだろうか・・・と、祈るような気持ちで下巻を手に取る。
読了日:04月01日 著者:天童 荒太
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17867920
▼2012年4月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/158309/matome
▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/
ブログランキングに参加しています。
クリックするとランキングに反映される仕組みです。
本日も楽しんでいただけましたらクリックよろしくお願いします→
にほんブログ村よかったら、こっちものぞいてみて下さい。
トイデジvivicam5050で気ままに撮影した
カメラNoTE♪です。